今日の五首
- 2010.02.28
異常気象異常地震の続くのはなべて温暖化に主因のありや またしても巨大地震が地を襲ふ人らの放恣に天が怒るとも 二万キロ弱離るるチリより粛粛と津波の寄せ来 地は繋がれば 日本より真東に行けばチリに着くと思へば何やら親しさも湧く 五輪の喧噪、津波騒動去りしあとに残るは政情不安と不況
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
異常気象異常地震の続くのはなべて温暖化に主因のありや またしても巨大地震が地を襲ふ人らの放恣に天が怒るとも 二万キロ弱離るるチリより粛粛と津波の寄せ来 地は繋がれば 日本より真東に行けばチリに着くと思へば何やら親しさも湧く 五輪の喧噪、津波騒動去りしあとに残るは政情不安と不況
路地脇に群れ咲く水仙の小花らをけふの心の蛍火とせむ 久し振りに妻と歩むに風はまだ冬のものなり 日向を選ぶ わが二階のベランダに咲く水仙の黄のひと花に深く安らぐ
生きてゐてこその人間、死にすれば肉も心も消えておしまひ 輝かん希望に膨らむその胸を凶刃が深く貫きしとぞ 胸深く抉られし女性(によしやう)の絶叫は果なき夜空のいづくさまよふ 殺すとは人を物体に変ふること。いかなる人にもその権利なし 人命を奪ひし人は一命にて償ふほかに道なしと思ふに バンクーバーをハンバーガーと茶化す人テレビにをりて口ゆがむ見ゆ バンクーバー冬季五輪に渦巻くは世界の活力の熱気なるべし […]
「ダム」という文字を見るたびつい「ムダ」と誤読する癖が知らぬ間につく
星観れば地表のごたごたがあまりにも瑣末に思へて泣きたくもなる ベテルギウスすでに爆発してをるやも600光年かなたにありて (ベテルギウス=超新星爆発が予想されている星)
暮れはてし窓外見るに尼寺の甍が鈍く灯に照りて雨 癌死して25年経てもその女(ひと)の細胞は生き増殖止めずと 癌死せし女(ひと)の細胞が25年生き継ぎ研究に資して来しとぞ
滝壺に水躍るごとし暁闇の奥にて群鴉(ぐんあ)がいっせいに叫びて
とつぜんに空気ふるはせ冬雷の鳴りて夜の雨はげしさを増す
漏れきたる薄日が当たり雪片のきらめきしあとビル影に入る 屋根に積みし雪の純白を背景になほ粉雪の灰色に降る
郵便の誤配や宛先誤記などが多きは世の中弛緩するゆゑ あるべき物なくて記憶を脳内にさぐれどむなし 脳痒くなる 込み入れる物事いっしんに考ふるほどにその解逃げて掴めず 首相の言ふ「命を守る政治」とはつまり何かを何とかすること 人生とは、真とは、善とは、愛するとは、などなどわれきみ若かりしかな