生活詠

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思ひさまざま

  • 2010.07.05

国道に対(む)く部屋にても車の音十秒あまり途絶ゆる間のあり 反社会的闇の組織に係はりし力士いくたり罰せられたり 反社会的闇の組織と知りながら何ゆゑ法にて排除せざるや 警察力不足といふなら自衛隊を活用すべし暴力団撲滅に 生産せずお金(かね)を転がすワザのみにて金満家を生むゆがみの仕組 金融とふ資本主義社会の怪物が肥大しやがては世界を滅ぼす 恐るべしヘッジファンドの総額は数百兆ドルを超すとも言へり 金 […]

紫陽花ほか

  • 2010.06.14

雲は夜意外に白くあざやかにてビルに触れんほど間近に浮かぶ 徐々に雲西より迫り果は闇 反基地闘争の火薬の匂ひす 横たはる鴉の骸を指さすに人言ふ「やつらはどんどん死ね」と 遅れ梅雨に色褪せてゐし紫陽花のやうやく雨を浴びてかがやく アルストロメリアとその名はゆかしくていつしか巷に花あふれたる

名刹

  • 2010.06.04

自然の理法解かんと努むる<人>といふ生き物居るゆゑ宇宙は在るや 人間が居やうが居まいが地球は生(あ)れいづれ消えゆく それだけのこと ————– 沖縄の負担軽減を餌にして全国の沖縄化を図る愚は為(す)な ————– 生す苔の青青と照る名刹の庭に落葉を焚く煙ながる

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