詠む
- 2022.12.09
短歌とふ詩型の未来を問ふ勿れただ只管(ひたすら)に詠むべかりける
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
短歌とふ詩型の未来を問ふ勿れただ只管(ひたすら)に詠むべかりける
短歌(うた)生(あ)るる刹那をとらへ叫ぶなくこれにてよろしと慰みてをり
極微(ごくみ)なる粒子集まり成れる身の命うごめき短歌(うた)を詠むなり
我がもし男の子(をのこ)なりせば戦(いくさ)で死に今在らざりきと詠みし女人(によにん)あり
おほぜいの歌集の抄録読みゆくに父より圧倒的に母が詠まるる
鎌倉の野ざらし大仏は釈迦牟尼にあらで阿弥陀さま、晶子誤解す (「鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな」(与謝野晶子))
興に乗らば文法などは何のその「な鳴きそ鳴きそ」と白秋師詠まる (「春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕」白秋)
浮かびては脳より消えゆく数々の短歌は惜しともはかなしとも思ふ
次百(つくも)とは次も満点を、との心 短歌(うた)においては容易ならざり
おほぜいの短歌(うた)の集成には亡妻より亡夫を詠みしがはるかに多し