落日
- 2020.09.19
あかあかと地平の大火と見るまでに日は落ち泥み雲を焦がせる
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
あかあかと地平の大火と見るまでに日は落ち泥み雲を焦がせる
境内に幾本もたつ老楠(ろうくす)の大きく繁り合ひ神韻を奏づ 神池(かみいけ)に真鯉緋鯉ら交差して泳げる下ゆく金の大鯉
木曽川の河川敷より遙かなる御嶽山(おんたけ)撮るになほ煙うつる
落ち継ぎて紅葉(もみぢ)まばらとなりしいま花水木を透き通る女(ひと)見ゆ
久々に雲割り覗きし青空なり待つ恋人に会ふにまされり
「目覚めゆく街を嘉してあかあかと日の昇りくるを歩道橋より撮る」(梧桐) 「板のごと空を覆へる雲の縁(へり)を焼き尽くすがに朝日が昇る」(梧桐)
「幾筋もの帯状の雲たなびきて夕焼け小焼けカラスら帰巣す」
「ぷかりぷかりと綿雲うかび日没のすすむに従ひ白から朱色へ」
「日の没(い)りて山の稜線を際立たせ余情の茜が戦火のごとし 」
「起き出でて歩道橋より見る 昇る日とそに焼かれゐる股下の車列」