旅行(ドライブ)詠

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2007年4月8日

  • 2007.04.08

訪ね来て間近に仰ぐ富士山の雪嶺が日に照れる荘厳 富士山の稜線長くどこまでもくだりゆきつひに遠街に紛る 雲払ひ出でし雪嶺撮らむとし行けども行けども電線が邪魔 金色(こんじき)の雪嶺の手前をいうぜんと雲は流れてほしいままなる 富士山の麓周回ドライブにて刻々変はる山容を賞づ 青木ヶ原樹海は自殺の名所といふ 横に眺めて先を急ぎぬ 山中湖西湖河口湖精進湖本栖湖めぐり富士山堪能す

2007年3月27日

  • 2007.03.27

妻と歩む川沿ひの道 水際(みぎは)には鴨群れ家並(やなみ)より鶯の声 朝起きて夜寝るまでの平凡の繰返しを時に倦むと言ふ妻 岐阜県高山市の飛騨大鍾乳洞観光大橋コレクション館に、手で触れてご利益あらんと陳列されてゐし100キログラムの金塊・・・ 盗まれし時価二億円の金塊にかつてわれらも手触れしものを 妻が言ふには・・・ 叶ふなら中国屈指の名勝の九寨溝を一度は観たしと 暇あればパソコンに向かふわが妻の寂 […]

2004年9月4日

  • 2005.09.04

人間の浅ましき本性極まれり被災地ニューオリンズに略奪相継ぐ 近過去のはや茫々と立ち返る姫路も道後も別府の街も 白鷺の連理の比翼はばたけり姫路の城は時空を超えて 闇深く女人のすすり泣く声すもはら人間(じんかん)の情理を怨み はらわたを揺り動かしてかの調べ陰々とひびき埒も無かりし 大型の台風ゆらゆら海を這ひ不測不明がゆゑの厳しさ 易々と人の命の霧消してイラク北米アフガンを悼む 人の世の行く末暗示するや […]

2004月12月5日

  • 2004.12.05

奈良行2: 墓もあり一休禅師のお寺なる妙勝寺いま紅葉(もみぢ)盛んにて (京田辺市薪の妙勝寺、またの名を酬恩庵一休寺といふ) ありがたく一休寺にて聴きにけり一休さんの頓智の由来 一休和尚が大徳寺まで通はれし台車も観光資源として置かる ———————————— […]

2004年12月1日

  • 2004.12.01

奈良行1: 平城宮跡の漠(ひろ)さよ闇に来て孤り朱雀門の威容に近づく 東大寺南大門の仁王像 阿と吽のふたつに睨まるる よし 大仏殿に毘盧遮那仏(びるしやなぶつ)座し圧倒的迫力をもて時空に鎮まる 口惜(くや)しもよ唐招提寺の本殿は解体修理で観る能はざる 秋の日に薬師寺五重ノ塔ふたつ青丹(あをに)と古色が互(かたみ)に観合ふ 古寺を観巡るにいづこにても隠れ仏に見らるる感じ 法隆寺前にて昼食摂りながら飯 […]

2004年11月22日

  • 2004.11.22

朝起きてわが妻の先づなすことはパソコン電源入れることぞも ———————————— 横蔵寺(よこくらじ)紅葉黄葉盛りにて青空そがひにめくるめくばかり 陽光を素直に受けてもみぢ葉の半透明の朱色目の沁む 屹立する三重塔に影おきて極彩色の紅葉の照り 池の面に重な […]

2004年10月22日(金曜)

  • 2004.10.22

犬山はわが隣り町歩みつつ初見の思ひ湧くが不思議さ 犬山の駅前 時流に従へど本町などは古色を残す 写しつつ歩むわれゆゑ共に来し妻をしばしば苛立たしめき 台風23号の後なれば・・・ 唸りつつ濁流逆巻く木曽川が犬山城下を寛らかに行く 何代かの犬山城主の血がくだり我が身の内を駆け巡るとぞ

今日の5首

  • 2004.09.06

中学校同級生有志会のバス旅行: 雲走る木曾山中をバスで行き水墨世界に酔ふ心地せる 妻篭(つまご)より深く入り来てたたなづく中央アルプスにしまく雨霧 ーーー 続けざま大地震(おほなゐ)起こりあらためて思ふ棚など固定せねばと 地震(なゐ)の夜の明くれば大型台風のまた襲はむとす 何かがおかしい・・ ーーー 再び学校占拠テロ事件: 児ら含み死者五百さへ超えむとふ アラーの神の食欲貪婪

今日の3首

  • 2004.07.21

妻と多治見の永保寺を訪れて:- 虎渓山永保寺なる観音堂 国宝の身をどっしりと構ふ 永保寺の観音堂の背向(そがひ)にて積乱雲が育ちゆく見ゆ 能ふかぎり信心薄き夫婦(めをと)にして寺域に満てる清浄を嘉(よみ)す

今日の歌 

  • 2004.06.23

「やや勇み小山登りてほの暗き迫間不動尊に世の罪を謝す」 「一キロの緑したたる参道を辿り谷汲山華厳寺に詣ず」 「谷汲の横蔵寺(よこくらじ)にはさ緑の楓めぐらせ三重塔建つ」 「横蔵寺(よこくらじ)つらぬき流るる飛鳥川 ホタルの名所と幟に宣す」 「くさぐさのユリを育てて園となし丘の起伏をその香に満たす」(谷汲ユリ園) 「整然と並べる水子地蔵尊 涎掛みな赤あざやかに」

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