旅行(ドライブ)詠

5/9ページ

今日の歌

  • 2004.05.25

「大都上空に麗人閉づる眼のやうな繊月、そして金星が並ぶ」 「靄けむる富士川の橋渡りつつ脳裏に富士山けざやかに浮く」 「しっとりと卯の花くたしに濡れて澄む東海道の水田地帯」 「集ひては議論を交はし楽しめる学会といふは不思議な異界」 「拉致されて生(な)しし子供ら帰国すと歓喜はすれど何か違和あり」 「木曽川の河川敷埋め黄をながすオオキンケイギクに妻も染まりぬ」 「光とは真空とは何 問ふほどに吾が脳めろ […]

今日の歌

  • 2004.01.18

木曾三川国立公園に妻と遊ぶ: 「若き歌友語る震災の嘆きさへ嘘のやうなる冬空の冴え」 「一三八タワーにのぼりたたなづく青垣山に小切子節(こきりこぶし)聞く」 「真青なる冬空を航(ゆ)く飛行機のすぢ雲幾重も交はりて伸ぶ」 「はや低き太陽なれど遍満せる光を反射し飛行機腹見ゆ」 「公園に作られし迷路に挑戦し塔に至らず妻もどり来ぬ」 「地面からどっしり生(は)ゆる一三八タワーに感ず人の偉大さ」 「山なみの途 […]

今日の歌

  • 2003.12.16

「飛水峡、奇岩居並ぶ双壁の割れ目に深き藍色の川」 「妻と来ぬ 小春日和の日曜日ほかに人なきこの飛水峡」 「日々しとど枯葉おとせるメタセコイア先端はなほ緑(あを)きがままに」 「傍行けば鴨らぐわぐわ叫びつつ足取りよたよた吾に寄らむとす」 「煙草吸ひケイタイ掛くる様見えて隣車(となり)のドライバー実は女人なり」 「人工の星もかくやの輝きに暮れ初めし空に金星ひかる」 「西空に異様に光る金星を見詰むればそ […]

今日の歌

  • 2003.12.06

東京にて:- 「やたら梅に因める多しと思ひつつ湯島天神境内を歩む」 「大観やら栖鳳の凡作並べたる湯島天神宝物館なり」 「懐かしや湯島天神境内に金太郎飴売る出店のありて」 「学問の神様とは言え<合格甘酒>はちょっとやりすぎじゃありませんか?」 「東風(こち)吹けど起こる梅ヶ香なけれども江戸の庶民の息遣ひ残る」 「境内の一廓にして梅林に窮屈なれど様佳きが並ぶ」 「新劇がお蔦主税の悲恋もの演じし記念とふ […]

今日の歌

  • 2003.11.11

「静寂の公園妻と散策す苦苦苦苦と鳴く山鳩いづこ」 (高松・栗林公園) ------------------ 「見の限り稲穂ことごとく刈り取られ腹の底より虚しさ突き上ぐ」 「朝より雨雲重くのしかかり山頂の城が見え隠れせる」 「迂回路の畦道行きて白鷺の茶色翼の若鳥おどす」

高松にて

  • 2003.11.10

高松にて: 「権力の所産の栗林公園をいま民衆がそぞろに楽しむ」 「妻と歩む栗林公園 紅葉は未(いま)だしと言へど深秋にしづむ」 「掬月亭に高松藩主の嗜好をば味はふ砂礫の浪など観つつ」 「突堤に赤き灯ともす灯台まで暮れゆく高松港を散歩す」 「屋島から夕霞かかる港湾を大観せるにフェリー行き交ふ」 「高松に壇ノ浦あり下関壇ノ浦あり共に史跡といふ」

東北旅行詠-7

  • 2003.10.31

<東北旅行詠-7:下北半島> 「奥入瀬を午後五時に発ちひたすらに<むつ市>を指して宵のドライブ」 「海岸に沿ひて飛ばせど下北の実感はなし夜のドライブに」 「ひらがなの市名が流行りか〈つくば〉〈むつ〉〈さいたま〉などと増えていくけど」 「恐山おそるるなかれ真昼間に来れば秋の陽なべてを曝す」 「恐山賽の河原に幾組も小石積まれて倹しき鎮魂」 「開山は九世紀といふ恐山おどろしき上に硫黄臭はなつ」 「要する […]

東北旅行詠-6 

  • 2003.10.23

<東北旅行-十和田湖、奥入瀬渓谷> 「田沢湖を見しのちなれば十和田湖はただ広くして水の色わろし」 「向ひ合ふ二人<乙女の像>に寄る妻またよろし三人(みたり)の平和」 「沿ひて歩む奥入瀬渓谷うるほひの緑照り映え瀬の音さやか」 「奥入瀬の渓流はさて十和田湖に流れ入るにや流れ出づるや」 「中秋の奥入瀬の水さやさやとまたうねうねと明るく流る」 「妻と来て渓流に沿ひたちまちにニキロあまりを歩いてしまひぬ」 […]

東北旅行詠-5

  • 2003.10.22

<東北旅行-盛岡> 「霞みつつなほ岩手山の稜線が北上川の果に浮かべる」 「啄木が新婚生活営みし借り間も観光スポット 盛岡」 「盛岡はイーハトーブ通りなど宮沢賢治の面影を活かす」 「わが妻を夕顔瀬橋に立たしめて撮りし岩手山 今寝室に」

1 5 9