紅白のバラまた椿が咲く隣に雪柳しろじろと風になびける
(新仮名): 車すべてを停止させる救急車それをさえ停止させる踏切は正に王者だ
征服王ジンギスカンは4千万人殺戮せしと 14世紀全人口の一割
科学は言ふ遺伝子レベルでは民族とふ種別など全くあるべくもなし
「莓」とふ漢字に「母」が入るのは形が乳房に似るゆゑと言ふが
(新仮名): 食うこととおしゃべりする以外やることのないスズメたち餌場(えさば)にたかる
婦唱夫随に出できて寺院や木曽川に桜の木ごとの開花の遅速知る
春霞かからずくつきりと山脈見ゆ昨夜(よべ)の降雨に感謝すべしや
六十年余前なれど忘れず死にし級友の母言ひし言葉「生命力が弱かったから」
薄衣(うすぎぬ)を灯にすかす折のモアレ・パターン美しければしばし見惚(みと)れぬ