おほぜいの歌集の抜粋集読みゆくに稀少で難読の漢字が諸処に
「生」とふ漢字の訓読みの数をかぞふればなんと十指にもなりて驚く
体ぢゆうねばつく感じああこれが梅雨の最中(もなか)の特徴なのだ
寝覚めつつ宇宙の果より聞こえくる超高音のささめきありき
餌どきに襲ひし雷雨がおさまるや雀らどっとベランダへ来る
「誰それの楽曲」と言へば長々と聴かする電子装置よお前は何者?
よろよろと舞ふ紋白蝶よく見れば羽破れをり懸命に塀越ゆ
世の中は未知なる事に満ちてゐるそれゆゑ面白し侮らざるべし
生まれたての子熊がなんと欠伸(あくび)するあくびの作用侮らざるべし
漢詩など昔のものと思ふなかれ現代日本人のいち群も嗜む