つひにわれ衰へたりとは思はねど雀ら久しく来ざるさへ悲し 宇宙開闢を科学も宗教も言ふ即ちその終焉の来んを前提に 単細胞生物に寿命はあらずしてひたすら増殖を続くるのみとは

某鉄道会社社長が自殺・・ 自殺するほどの気力があるならば生き抜くことは易（やさ）しからんに 巧妙な振り込め詐欺を聞くたびにその智恵善行に使へと思ふ

「「見られる」が「見れる」に変りゆく過程の加速にマスコミも手を貸してをり」 ——————————&# […]

うなぎ屋の壁に何ゆゑ貼りあるや「威にして猛からず」の短冊に紙魚（しみ） 昼明るい理由は空気があるからと言えばほんと～？とあやしむな妻よ

半世紀詠ひきたりて思へらくわれのみが知るわが歌いくつ

孫三歳、智恵はたらかせて線香に火をつけんとす疑似ローソクにて

はたはたと油蝙蝠舞ひ止まぬ時に路灯に翼透けつつ 世界の現状を憂えて・・・ 所有権主張し合ふより命といふ等価な宝の共存が先

歩みつつ痛みを感ず大型のクレーンを満月横切るさまに」

東北の津波の悪夢さむる間もなく台風が水害起こす 八階の窓より俯瞰すつくづくと人は地面に張りつきて生く なだらかに養老山系つづくなり伊吹山（いぶき）の嶺を右方に置きて

台風の余波の豪雨の音激し死に瀕しゐる媼がひとり 死に近き媼にはべる妻の居て遠き近きの子らも寄り来ぬ