2014年5月10日 / 最終更新日時 : 2022年3月14日 gotohman 生活詠 風鈴ほか 風鈴の鳴りやまざれば夜の風の時には憎し闇も荒れゐん 衰へゆく躑躅の紅色みおろせり立夏四日目真夏日となる 家中に満つるは百合の香りにて母の日のこと子らは忘れず
2014年5月9日 / 最終更新日時 : 2022年3月12日 gotohman 生活詠 環境 置き去られ狼に育てられしとふ男(を)の子は歯を剥き咆ゆるのみとぞ 現代に生(あ)れても縄文の環境に育たば縄文人になるほかはなく
2014年5月8日 / 最終更新日時 : 2022年3月12日 gotohman 生活詠 パンジー パンジーの花それぞれが貌に見え一斉にこなたを向きてウインクす いかやうに偉業なすとも人間とふ井戸の中でのこと その外知らず たかが二十六字の音(おん)に成る言語で心理をあまねく表し得るや
2014年5月4日 / 最終更新日時 : 2022年3月12日 gotohman 生活詠 テレパシー 吉野山は観光客で溢れゐしが吾が写真にはほとんど見えぬ -------- かの貌が頭に浮かぶは彼もまた吾を思ふゆゑといつよりか悟る 憎き顔浮かぶとき奴もさもあらんと揉み消す癖ありき今は懐かし 吾が想へば彼も想ひゐる不思議さ […]
2014年5月2日 / 最終更新日時 : 2022年3月13日 gotohman 生活詠 小切子節 罌粟(こくりこ)と聞けば小切子想はれて<こきりこ節>が脳裏をめぐる 所帯じみず二十歳前にも見えるよと言えば娘は純ににこにこ (新仮名) 撮りためし写真に見る君美しと言へば「おばあさんをからかわないで」 大量に撮りし吉野山 […]
2014年5月2日 / 最終更新日時 : 2022年3月13日 gotohman 生活詠 心 開ききることなく萼をこぼしゆく花水木に何が起こりしならん 呆るるは身はそのままに過去・未来へ時間旅行するとふ話 心とふ得体の知れぬ現象に振り回されゐる 漱石もまた 冠雪の伊吹山ことに佳かりしに今は霞中のいづことも知れず
2014年4月29日 / 最終更新日時 : 2022年3月10日 gotohman 生活詠 新葉 金木犀の新葉が緑(あを)く照り映ゆる生命誕生の新説を聴くとき 優游か悠揚かなどはどうでもよく迫らずの態(てい)にわれ生きゆかん 妻と観し吉野の桜十日経ても想へば心のざわつき始む
2014年4月25日 / 最終更新日時 : 2022年3月10日 gotohman 生活詠 群鴉 一斉にするどくこなたを視る群鴉(ぐんあ)、白きも混じれば夢にかもあらん まなこ無き深海魚と言いへど胎魚にはあれば退化なり進化にあらず
2014年4月24日 / 最終更新日時 : 2022年3月10日 gotohman 生活詠 日当たり するすると伸びしアスパラガス数本、箱より切り取り妻はお菜に 薬草より食材となりし牛蒡にて戦時木の根と捕虜に訴へらる 日当たりの悪し良しにより隣接する木にして花に遅速あらはる