生誕地に住みしはその後に比ぶれば僅かなれどもむやみに想はる
春褒め(はるぼめ)にあらず男女の情のこと「春宵一刻値千金
不特定の出詠者より成る歌集になるほど「鈴木」姓の人の多しも
生体は奇跡の秩序を保ちゐる。エントロピー増大の原理に背きて
気がゆるみ不意に浮かぶは自作ならず白秋や柊二の短歌なりけり
つづまりは悪魔になるのかイスラエル、パレスチナ人を大量殺戮し
冷える朝もアンテナの先にとまっていてカラスはこごえて死なないのだろうか
識閾の奥の奥のまた奥より光ともなひ聞こえくる音
一年間ほどアメリカに住んだことあるがそれが四十年余も前のことだなんて
意志あるごと激しく変化する空模様 高低、多彩な冬の叢雲(むらぐも