概念にとどまる限り「死」は言葉。現実の死との超えがたき断絶
自(し)が妹の訃報を聞けどうろたへぬ妻なれど内心の渦は量(はか)れず
予期せざる妻の妹の訃報うけ壮健時の残像消しがたく居(を)り
幾種類の鳴き声ヒヨドリは持つならむ奇妙な鳴き方いま初に聞く
楽が鳴る。かの音かのリズム恋ひながらいつしか心は融けてゆくなり
今は亡き歌手の歌声聴くことのなつかしけれど冒涜ならずや
修飾語を後ろに置くなる英語など 思考過程にも東西の差異?
おほかたは白雲(しらくも)覆ふひるどきを西の山ぎは海否空あり
朝の陽浴び数羽のカラスが花水木の実にたかりゐしが人見て飛散す