今日の歌
「梅雨の雲抉(こ)じ開けのぞく夕空の紺の深みに金魚泳げり」
これは心象風景というもので、自分の心の中だけでしょうが、たしかに金魚の泳ぐのが見えたのです。文字通りの金魚、つまり金色の魚が泳いでいました。久し振りに見る紺青深い空に心が感応して、きらきらの魚を泳がせたのに違いありません。もちろん、多少の遊び心もあります。
「ひとしきり落ちし雨去り緞帳を引き上げしごと満天の星」
「梅雨明けをことほぐやうに満天に星かがやけど月なきが寂し」
「梅雨明けと戻り梅雨とが交錯し気象庁など当てにしてはをれぬ」
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