木曽・長良・揖斐三川が合流し脹らみ静かに海へと流る
あるときは数多(あまた)の枯葉を振り落とし美しきかな万華の紅葉
紅葉(もみぢ)せる花水木が日々葉を落とし陽の湯浴みせむとか裸になりゆく
朝の陽(ひ)受け火と燃ゆる花水木の紅葉をさらに際立たせ穹(そら)ま青(まさを)なり
ささやかなプランターの花に揚羽蝶紋白蝶がひらめき止まず
夜雨明けて全き青空を風わたり新緑躍りて光(かげ)チラつかす
風強く人家の上に宙たかくカラス威しの凧が暴るる
深緑のあふるる中に白き糸 滝は一筋(ひとすぢ)にて自然を領す
近隣の延命地蔵の祠の前 たが忘れしか帽子寂しげ
ごく薄き白布おほふや晴れながら全天かすかに霞む晩冬