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人間の浅ましき本性極まれり被災地ニューオリンズに略奪相継ぐ
近過去のはや茫々と立ち返る姫路も道後も別府の街も
白鷺の連理の比翼はばたけり姫路の城は時空を超えて
闇深く女人のすすり泣く声すもはら人間(じんかん)の情理を怨み
はらわたを揺り動かしてかの調べ陰々とひびき埒も無かりし
大型の台風ゆらゆら海を這ひ不測不明がゆゑの厳しさ
易々と人の命の霧消してイラク北米アフガンを悼む
人の世の行く末暗示するやうに水より淡き曲想流る
ドカンドカーン地を裂く音のしきりして花火は末期の輝きに消ゆ
美しき過去と濁れる未来とのはざまに悶ゆ君らもわれも
ここにしてふと顧るわが生は砂漠に蟻の一筋の跡
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