故ありて消防団の演習観る 沖縄戦終結日なる６月23日に

梅雨に入り木々の葉なべてが雫するそのとき空気がこなごなになる

わが知らぬ不思議の一つ鳥たちは如何に一瞬にて交尾をなすや

炎天下に雀ら元気に騒ぎゐる 想へば雪中でもさうでありしかな

西に浮く雲裂き日箭（ひや）の射す下方 爆音たてて軍用機よぎる

不思議だな、どんな動物でも赤ちゃんはとても可愛い。妻も認める

剪りそこねどんどん伸びる十指の爪　ああ僕は確かに生きている （死んでからもしばらくは爪は伸びるというが。）

何も来てをらずと知りつつガラケー見る。無用の用と言ふべかりけり

新元号に慣れむと幾度も「令和」と書けどまだまだ「平成」が顔を覗かす

朝風に若葉がそよぎ陽を反（かへ）す この平穏を詠まざらめやも 絶え間なく若葉を風が揺らしゐてちらつく朝日に鬱心さらす