行きゆきて宇宙の果(はて)へとなほ行きて至りしは自(し)が背中なりけり
たたら踏む陰の心をまつぶさに人に語らむ衝動を鎖(さ)す
昇りくる日にさきはひを覚ゆればそれにてけふも太平ならむ
この世のこと思ふ矢先に裏庭の木に悲しげに椋鳥(むくどり)鳴くも
きりきりと渦巻き昇る龍の目のギラリと光り世を睥睨す
とどろきて吾が裡に鳴る雷(いかづち)をああいかんせん鎮めかねつも
その寿命百年に満たぬ人間が数十億年後の地球を憂ふも
凝り固まりし思考の毛玉をほぐすさへ楽音の侵蝕を許す安易さ
混乱する我が思考さへ鎮めむか一滴の美音、一つの名曲
とどろきて車道から地響き、吾が裡の‘情’の琴線は支離滅裂なり