北方より押し寄せてくる寒気団が温（ぬく）き空気と入れ替はりゆく 粛々と寒気が流れ込んてきて黒白の雲が青空に鬩ぐ

かくほどに繊月（みかづき）の美を詠みし詩はほかにあるまじ　「斜めに沈む」とぞ 「繊月（みかづき）が斜めに沈む」と詠みし詩に思考がしばし停止せりけり

旧暦でたまに閏九月があり今夜はそれの十三夜なり 珍しき＜後（のち）の十三夜＞を撮らんとし空覆ふ雲を恨めしと見る 空覆ふ雲の一部の破れより須臾の間覗きぬ＜後（のち）の十三夜＞ ややありて雲が大きく割れたれば＜後（のち）の十 […]

望（もち）よりはややいびつなるがよろしけれ十三夜の月がきりりと昇る

群雲（むらぐも）に高低ありて雲の上を雲走る見ゆ気侭な風に 忘れ得ぬ名歌のひとつ実定（さねさだ）の「・・入る日を洗ふ沖つ白波」

ざっくりと右側大きく削られて更待月（ふけまちづき）が昇りくるなり

名にし負ふ爆弾低気圧襲ひきて寝待月（ねまちづき）いま涙にくるる －－－－－－－－－－－－－－－ 原子力空母の寄港は反対の声を押し潰し今は常態化 米日で挑発をして中国の軍事的暴発を待つ構図不気味なり

居待月（ゐまちづき）もはや丸いと言ひ難く憂ひ顔にて昇り来たれり

やや厚き鯖雲生（あ）れて悔しくもスーパーフルムーンがフルには見えぬ 皮肉にも立待月（たちまちづき）は雲一つなき大空を悠然とわたる

閉（さ）す雲をかがやかせつつ十六夜（いざよひ）の月は向かふで何思案する