三日ほど雨つづきしが今日の午後雲の割れ目ゆ‘青’がしたたる
卯月十日、夜は更けにつつ西山へ三日月ななめに落ちゆくを見き
遠街も山も朦朧 空さへも霞のやうな雲に覆はる
蒼く澄む冬の空かな思へらく宇宙よりかほどは美麗に見えまい
いかに奇形なりと言へども雲は皆あるべき姿に浮かびゐるなり
雲の下を走る雲見ゆ冷えまさる地表の気流に乱れあるべし
湧き出でて縁(へり)が強風にほつれつつ霧となり天を覆ひゆく雲
定まらぬ天候の折の雲は花 変幻自在に空を飾れる
ひしめきて縁(へり)が真白にかがやく在り黒きもありて冬の雲行く
透明な紺碧の空の深部には宇宙の漆黒の闇が滲めり