さまざまな思念に膨らむ脳(なづき)かな 宇宙の彼方に星爆裂す
ぽつねんとされど大きな迷ひ雲 雲海から離れゆがみつつ走る
かくほどに輝く金星観るは初、遠き外灯と疑はざりき
東(ひんがし)に放射状なす雲の帯に朱金の朝焼けすすむ閑かさ
目を閉じて太陽に向く。あかあかと目蓋が燃えて日の肌が見える (新仮名)
冷ゆる空はしる雪雲の上の縁(へり)日にかがやきて解(ほつ)れつつあり
一心に美雲を撮るに道行く人「何をしてる?」と半ば揶揄して
うちつけに大きな満月が顔に当たる。日の出前外に出て西方見れば
オーロラに倣ふがに絹雲が空いっぱいにうねりて見る見る形変へゆく
銅色(あかがね)の朝焼け雲が水平に目線の高さで漂うて荘厳