伊良湖岬6首

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伊良湖岬行:

「菜の花にうづもれ妻は立ちゐたり冷たき風に髪騒がせて」

「春先の風は乱心あるらしも伊良湖岬(いらごみさき)に荒波飛沫(しぶ)く」

「とめどなく伊良湖岬を波おそひ丸く浮く日はしづかに赤し」

「夕づける空気は伊良湖ガ崎めぐり赤き太陽海原を打つ」

「照明に菜の花すごく艶(いろ)めけば妻さらに佳ししかと撮りたり」

「灯の当たるあたり菜の花白々(しらじら)し 果くらぐらと森に溶け入り」