擬音語を加えて添削
「音もなく青虫食める迅きこともし聞こゆればさぞ響くらむ」 (桐子さん2002年6月17日)
青虫がクチナシの木の葉を食べてしまうのですね。それも迅速に!たしかに、そんなことで花が咲くものか心配になりましょう。いや、蕾があるのだから大丈夫なのでしょうが。
この歌、「もし聞こゆればさぞ響くらむ」が意味をほとんど成さないのが惜しいですね。「もし聞こゆればいかに響くや」ならいいでしょうが。
添削:
「青虫の木の葉を喰らふ迅さ見えガリガリガリとしづかに響く」 (桐子)
(音はせず、食べられて木の葉が見る見る減って行くだけですが、貪欲な食べっぷりに、音さえ聞こえてくるようだ、の心です。)
追加詠:
「青虫がクチナシの葉を食ひ尽くし蕾残れど花成すや否や」 (桐子)
実はこの歌 投稿直前にこのように詠みかえてしまったのですが、初案は
「青虫の食める迅さに音あらばバリバリバリとさぞ響くらむ」
だったのです。青虫が あまりにも勢いよく食べるのでもし音があるのなら 葉っぱから 突然すごい音が聞こえるのではないかと そう思ったのです。
繋がり具合から 「さぞ響くらむ」の使い方は如何でしょうか?
ということは、初案は添削歌に近かったわけですね。しかし、この初案では青虫が何を食べているのか解りませんね。「さぞ響くらむ」の表現はいいと思いますが。。。(添削歌で「ガリガリガリ」としたのは、青虫の葉の食べ方は口にくわえてバリバリバリと食べるというより、縁から削るように食べる印象だからです。いわば、葉っぱを縁の方から順に削り取る擬音語です。)