詠み直し、あるいは推敲も勉強になります
「瞼閉じ君を想いし弾くピアノグノーのマリア静に微笑む」(月あかり)
彼と逢えないけれど、もしわたしがアベマリアを弾いたなら喜んでもらえると想う。マリアも静に微笑んでくれるでしょう。
アベマリア(Ave Maria)のアベは元々は「こんにちわ」「さようなら」といった挨拶ですね。マリアはもちろん聖母マリア(イエス・キリストの母;処女で懐胎したとのことですが)。聖歌・アベマリアは「聖母マリアへの祈り」の歌ですね。名曲として一般的にも弾かれるようですが。歌詞は共通で、シューベルト作曲、グノー作曲、カッチーニ作曲などあるようですね。ここではグノー作曲のアベマリアを弾かれた・・・。お作で「君を想いし弾くピアノ」という語法は時制の上でよろしくありません。「想いし」は過去形ですからね。そうであっても、時制云々以前の問題として、「想いし」という書き方は頂けませんねぇ。「想い」は新仮名で「し」は旧仮名ですからねぇ。新仮名なら「想った」、旧仮名なら「想ひし」ですね。もちろん、これらは過去形という意味では、この歌では共にまずいのですが。「想ひて」(旧仮名)か「想って」(新仮名)ですね。また、「瞼閉じ君を想いし弾くピアノ」とは、目をつむったままピアノを弾かれたのでしょうか?目をつむって「君」を想った、ということかな。また「静に微笑む」の「静に」もミスですね。「静かに」で、(旧仮名でも)「か」は省かない方がいいでしょう。それに、アナタが弾くピアノのアベマリアに「君」が微笑むのですか?それとも添え書きにあるように、「マリア」が微笑むのですか?以上のように、このお作はめろめろに乱れております。今のアナタの心がそのまま反映しているのかもしれませんが。ご投稿はそれなりに公表することでもあります。そのことをご念頭に、改めて詠み直して下さい。詠み直し、あるいは推敲も勉強になりますよ?