かえって分かりにくくなった例
「白萩のベールが包む彼岸花燃ゆる赤さへたをやかに見ゆ」(紗柚)
根に毒を持ち真っ赤な色をした彼岸花は単独で見ると強烈な印象を与えますが白萩に覆われてぽつんと咲く姿は可憐でたおやかに見えました。
「死びと花」「根腐れ花」などども言われ、墓地で咲いているのがよく見掛けられるため、だけではなく、「根に毒を持つ」ので、あの華麗さにも拘わらず、彼岸花(別名は曼珠沙華)を嫌う人が多いのですね。一方で、古く「赤い花なら曼珠沙華・・・」と歌われ、山口百恵にも<曼珠沙華>という歌がありました。曼珠沙華は<天上に咲く花>という意味だそうですし。この花ほど明と暗の両面を持った花は他に無いでしょうね。このお作では好意的に見ておられます。「白萩のベールが包む」という表現は工夫されたのでしょうが、却って解かりにくくなりました。
添削(改作):
「彼岸花の燃ゆる真紅をこぼれつつ載る白萩がたをやかに見す」(紗柚)