新・旧仮名の混交は避けたい

向かい家の電話のベルの止まざりてなんだか寂しく思える真昼」(お仙)
私の住んでいる団地は、あまり物音のしない団地です。特にお昼時は。そんな時、前のお宅から電話の音が聞こえてきました。ああ、お留守なんだと思いつつ、受け止める相手のないベルの音が虚しく聞こえました。

「止まざりて」とは?旧仮名にしても変ですし、ここだけ旧仮名というのはいただけません。一首の中での新・旧仮名の混交は避けたいものです。読んで必然性が感じられる場合はいいでしょうが、ただ野放図な混交は止めましょう。団地は静かなものなのですね。電話機の音が目立って聞こえるくらいに。電話が鳴っても出る人が居ない・・・ただ空しく鳴り続ける。(心象的にも)寂しい風景ですね。
添削:
向かい家の電話のベルが止まなくてかえって寂しく感じる真昼」(お仙)