「濡れる」と「濡るる」
「胸までの稲穂掻きわけ稗を刈る媼は露に濡れるを厭わず」(比叡)
稲の間に生えている稗を刈るため媼は露の降りた田圃に入りて露に濡れながら作業をしてしていました。農業の仕事の忙しさ、辛さを目の当たりに見ました。宜しくお願いします。
この場合、稗(ひえ)は夾雑物以外の何物でもないわけですね。刈り除く作業は大変そうですね。
「胸までの稲穂掻き分け稗を刈る媼は露に濡るるを厭はず」(比叡)
添削の「濡る」の活用について「濡れる」としましたが添削では「濡るる」と御連絡いただきました。「るる」は連体形 になりますがこの辺よく分かりませんのでお教えください。
元歌の「厭わず」(厭はず)は旧仮名ですね。それで、これは旧仮名短歌と判断しました。すると「濡れる」という語法はないわけです(新仮名になるので)。「濡るる」はおっしゃるように「濡る」の連体形です。「濡るる(の)を厭はず」あるいは「濡るる(こと)を厭はず」ですね。()内の体言はしばしば省略されます。「濡る」と終止形にしてしまいますと、ここで一旦歌が切れるわけですが、この場合は明らかにまずいですね。目的語を取る「を」に続きませんから。