今日の五首
- 2002.02.10
オリンピック華やかなれどアフガンではテロ掃討の爆撃つづく 『ビンラーディン爆死?』の報に長老は『地元の青年』と切り返したり テロ掃討の蔭でどしどし殺さるるアフガン市民のあはれさいかん 星条旗がオリンピック会場にひるがへりつつ不安を模糊す 《セプテンバー・イレヴン》の人類史的意味問はむに傷口未だ血を噴き
オリンピック華やかなれどアフガンではテロ掃討の爆撃つづく 『ビンラーディン爆死?』の報に長老は『地元の青年』と切り返したり テロ掃討の蔭でどしどし殺さるるアフガン市民のあはれさいかん 星条旗がオリンピック会場にひるがへりつつ不安を模糊す 《セプテンバー・イレヴン》の人類史的意味問はむに傷口未だ血を噴き
底冷えの廊下を歩く 絨毯の端より先は高き靴音 消火栓・消火ホースの所在示す赤いランプが廊下の果に 暫くは忘れてをりしテロのこと『ビンラーディン爆死?』の報によみがへる
部屋隅に妻買ひおけるトマト個々が異なる影もつ灯火を受けて 部屋隅に買ひ措かれあるトマトあまた きのふより今日は四つ減りたる
不思議なりリンゴ・バナナ・西瓜みな食はれんがための構造もつこと 岐阜市街、路面電車が来ぬうちは軌道の上を自動車とばす 曲がるとき前照灯にて水平に薙ぎし垣根に終(つひ)の山茶花
売れざれば価値なきものとみなす世の亀裂はしれるダイアモンドよ 大いなる竹群(たかむら)右往左往して世の乱風に流民(るみん)さまよふ 夕柳風にさわ立ち幹暗し失踪したる蛇のかがやき」
『空爆で学校8割破壊さる』アフガンの荒廃ここに極まる 〈空爆で学校8割破壊〉せし国こそ復興に最大責務 貧困と教育の荒廃がテロを生む、その解決に軍費使へぬか バランスを欠きたる武力行使ほど世界の脅威はあるべくもなし 〈力〉とは詮なきものよ押せば引きなほ押し押せど底なしの沼 山茶花は花期すでに過ぎかすかなる氷雨にパラパラこぼれつぐなり
かの娘二十五にして鼬(いたち)を飼ふ何に飢ゑゐる証(あかし)なるらむ 裸木(はだかぎ)の間(あひ)にたくまし 常緑樹は灯あたる葉叢(はむら)白くかがやき
「礼拝(らいはい)を「れいはい」と読み「重複」(ちょうふく)を「じゅうふく」と読む、これも時代か」 「イスラムの教義われらに煩はし、されど彼らの生活習慣」 「仏壇に毎朝拝む習慣のいつしか我にもつきて不可思議」
忠節橋いつ通過せし駅前に来てふと気付く無意識運転に 些事あまた大脳を占め運転は無意識となり身体(からだ)任せに (この状態は危険でしょうね。いや、身体が運転をすっかり覚えていますから、却って安全かも。飛行機の自動操縦のようなもの・・・?)
風雲急にして会議会議の今日ひと日、窓辺の鳩よゆめな笑ひそ 小組織が改革劇に揺れに揺れ さかんに窓をよぎる暗雲