今日の三首

  • 2002.03.17

東京出張の途路に・・・往路、復路とも、薄曇りの中にあわあわとした富士の雪嶺を見ることができました。富士山は見るたびに新しい姿となって現れます。歌に詠み飽きない理由です。 往路:「背後(そがひ)また此方(こなた)の雲にはさまれて富士の雪嶺きびしくも淡し」 復路:「山越えて白き富士聳(た)ち中腹に大沢崩れの跡痛々し」 「雲薄く張る大空の中ほどに雪かづく富士あはくただよふ」(梧桐) (「かづく」は「被く […]

今日の三首

  • 2002.03.13

「迷ひなく真上に伸びてはだか木のメタセコイアら青空およぐ」 「紺青の夜空に並び枝張れるメタセコイアら灯を受け浮遊す」 「鏡面の天文ドームが底(そこひ)なき闇を映して黒々と立つ」

今日の三首

  • 2002.03.12

「暖春に後頭部より襲われる。蒟蒻(こんにゃく)による打撃の感じ」 「街を貫(ぬ)く川の小流れ濁れるに鴨、白鷺らなほも寄りくる」 「人としてつひに知り得ぬこと多く、彼言ふ『たとえば<女体の神秘>』」

  • 2002.03.11

「同時多発テロなどといふ流行語?-半年過ぎて消えしあれこれ」 「同じ穴の狢どうしが国会で接待ありなし言ひ合ふ茶番よ」 「<目には目を、歯には歯を>とは斯くならんパレスチナ対イスラエルのこと」 「<出所進退は政治家本人が決めるべき>、否、我々も斯くあるべきなり」 「内閣の支持率急落されどまだ50%超えるは是ならんか」

今日の三首

  • 2002.03.09

「忙中を川土手に出てご婦人の取り残し置く土筆に慰む」 「蓬ならよもぎ饅頭なつかしく返す葉裏の白さ陽に輝る」 「蓬また土筆はぐくむ川土手にすみれも雑草の間(あひ)に点々」

今日の三首

  • 2002.03.07

「コーヒーの灰汁(あく)つくカップを磨きあげ底見れば宇宙の果なる白さ」 「おのずから湧く意思あれば厚らなる雲突き抜けて宇宙線ふる」 「高校生、二十、三十、四十代、五十、六十、七十代の歌」

今日の五首

  • 2002.03.06

「啓蟄と人名付けしは勝手にて己(おのれ)とふ殻に今しばし寝む」 「アフガンいやパレスチナさらに遙かにて刻々の情報現実感なし」 「アフガンやパレスチナでの殺戮は情報といふ霞に化けて」 「タンポポはダンデライオン、ライオンの歯の形せるその葉に依る由」 「外人が「『たんぽぽ』を見たが何のこと?」 すかさずダンデライオンと答へき-某日」(梧桐) (注:「ダンデライオン」は「ライオンの歯」の意味。『たんぽぽ […]

今日の三首

  • 2002.03.04

「披露宴に集ひし人らは脈々たる生命(いのち)の連鎖の四代に亘る」 「遅れたる披露宴とて尊かる人間(じんかん)の契りに泣く父母のあり」 「血縁は限定的でもDNA螺旋の連鎖は人間ひとつ」(梧桐) ホモサピエンス(新人;現代人の直系祖先)は、かってアフリカで突然変異により原人からできた数千人の中から、たったひとりの女性のDNAを引き継いで生まれ、現代人に至っているという有力な説(研究)があります。その意 […]

今日の二首

  • 2002.03.02

「生命の内なる世界の危ふさよ常に外界は父であり母である」 「忙中も電波で通はす万感の情に心の炭火は絶えず」

今日の四首

  • 2002.02.28

「また来たる期末の多忙もおほかたは片づきしこと常よりも惜し」 「すでにして身疲れきはまるとは言へど残年思へば尊き一刻」 「白禿(はくたく)や 気は若くして瑞々しき恋愛の歌をわれ添削す」 「人生に悟達が理想の哲理あり そを思弁する暇われになし」

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