生活詠

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今日の二首

  • 2004.05.06

「ぬかるめる山路に赤き実散らばりて山藤新緑に垂るるも雅趣なり」 「なんじゃもんじゃの大樹の雪は無尽数(むじんず)の針状花弁のかたまりなりとは」

今日の歌

  • 2004.05.05

「不調なるPC宥めなだめしてなんじゃもんじゃを調べ嘉(よみ)せむ」 (なんじゃもんじゃ:学名はヒトツバタゴ) 「妻と来て小雨の中に屹立せるなんじゃもんじゃの大樹の花めづ」 (この歌の木は樹齢(推定)200年とか。) 「何の木か分からぬままに名付けしとふなんじゃもんじゃの花にも白雨」 「なんじゃもんじゃ、なんじゃもんじゃとつぶやきつつ雪花とも呼ぶ花を撮りてむ」

今日の歌

  • 2004.04.30

「つばくらめ二羽電線に寄り添へる 青春ならむと妻にささやく」 「さ緑の楓若葉を這ふ虫のちひさき影が照る日に動く」 「群雲の動くにつれて翳りゆく新緑の森は日を待ちて撮る」 「あはあはと浮かぶ雲さへ染まりゆく青天上の包容力よ」

今日の歌

  • 2004.04.29

「地蔵寺も湿潤の若葉溢れゐてわれは釈迦涅槃石像を撮る」 「澄む空に真綿のやうな白き雲さやかに伸びて仏閣おほふ」 「蜘蛛の巣の張れる釣鐘わんわんとかって鳴りけむ音の残響」 <妻>: 「妻やる気?日曜大工道具買ふ少女のやうな危ふさに満ち」

今日の歌

  • 2004.04.27

「白壁に赤き塗料の垂れにつつ鬼の泪に変はる今の世」 「西洋の楽器グランドピアノさへ日本製をリヒテル愛すと」 「ある日日本をメイストームの襲ひきてふところ深くを撹乱して過ぐ」 「泣くよりも笑ひがいいな所詮吾の一生(ひとよ)は我に閉ぢたる時空」

今日の歌 

  • 2004.04.26

「追ひ込まれ自殺せざるは勇気なきや 狂気は切腹を美学ともなしき」 「中東にかく易々と死は満ちて渾身の自死の論も色褪す」 「生を享け喜怒哀楽に日々は過ぐ無無明亦無無明尽」 (「無無明亦無無明尽」はご存知、般若心経の一節。「むむみょうやくむむみょうじん」) 「生と死は背理にあらず死の在りて生あることを知る稚葉道(わかばみち)」

今日の三首

  • 2004.04.25

「本町に太鼓乱打の演舞ありチャリティー募金に若きら励む」 近くの真清田神社。本殿、正門、鳥居、そして本町通りが一直線になっているとばかり思っていた迂闊・・・?宗教的に何か意味があるものかどうか。 「本殿から正門、大鳥居、本町の通りが意外やジグザグに並む」 「朝日透く社殿の大樹の若葉影揺れつつ砂利にいたく沁み込む」

今日の歌 

  • 2004.04.21

「生ゴミの袋を破りカラスらが朝の馳走を楽しむに遇ふ」 「カラスらのつつきゐたるは大いなる鮪の頭 料亭の前に」 「ヒヨドリらツイーツイーと鳴き交はし葉桜を出で電線にとまる」 「瑞々と庭木若葉のさ緑とツツジの花の色ひびき合ふ」 「おもほえず紅色牡丹の大輪が民家の軒に贅を尽くせる」 「出色の花の季節の路地裏に恋する猫かギャオーとぞ鳴く」 「恋の歌づんづんと湧く春の日にわれら夫婦は労働に汗す」

今日の歌

  • 2004.04.19

<生>:- 「生(せい)と言ひ生(なま)と言ふ また生(う)むと言ひ生(む)すと言ひ生(あ)ると言ひ生(い)くとも言ふかな」 <空>:- 「空(そら)といひ空(から)といひまた空(くう)といふ 空(うろ)といひ空(あ)くといひ空(むな)しともいふ」

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