2005年3月20日
- 2005.03.20
言霊(ことだま)とよくぞ言ひしよわれらより言葉奪はば骸骨残る 海洋は神の泪のひと雫ゆれて暴れて命呑むとも
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
言霊(ことだま)とよくぞ言ひしよわれらより言葉奪はば骸骨残る 海洋は神の泪のひと雫ゆれて暴れて命呑むとも
<生>:- 「生(せい)と言ひ生(なま)と言ふ また生(う)むと言ひ生(む)すと言ひ生(あ)ると言ひ生(い)くとも言ふかな」 <空>:- 「空(そら)といひ空(から)といひまた空(くう)といふ 空(うろ)といひ空(あ)くといひ空(むな)しともいふ」
「スイートピー今朝も塀より五、六本のぞきてピンクの微笑をよこす」 「距離といふ如何ともしがたき無駄なもの今日も自動車(くるま)に喰はせて通ふ」 「往還に田畑(でんぱた)のさま街の景山川草木賞(め)でて来しかな」 ----- 「時分の花咲かせてのちの真の花。世阿弥は<過程>を大切にしき」 「『秘するが花秘せずば花なるべからず』と。吾が認識とのずれはいかんせん」
「雨水(あまみづ)を<うすい>と読ませ中気とす雪から雨に変はる頃とぞ」 「マスコミに脱北者なる語があふれその語の意味を知らぬ者なし」
「ひと日中多忙に暮れし夜なればPC画面に睡魔が踊る」 「この身いま熔けて大河に交はれば河口あたりは青く濁らむ」 「自我といふどうしやうもなき業(ごふ)が時をり頭を擡(もた)げ悩ます」 「平和はまづ自己からそして家庭から、さすれば国に世界に届かむ」
正面に見えし三日月いつしかも右に移りて靄に裹(つつ)まる 海底も山もあるのに空間に人住まんとて犠牲相次ぐ 人間の叡智も犠牲を強(し)ふることスペースシャトルの悲劇に知りぬ アメリカは富める国とぞ人言へど貧民窟の多きはいかん 何もかも砕かんほどの武力持つアメリカだけが正義といふか
時くれば闇は襲ひぬ所詮わが憂鬱の瘤はわれのみのもの 今月ももう終わりだと月々に繰り返す弁は空気に似たる もう二月、信じられない感覚は心的バランスのほころびによる
「礼拝(らいはい)を「れいはい」と読み「重複」(ちょうふく)を「じゅうふく」と読む、これも時代か」 「イスラムの教義われらに煩はし、されど彼らの生活習慣」 「仏壇に毎朝拝む習慣のいつしか我にもつきて不可思議」