憂国
- 2011.06.09
プロ野球の交流戦が始まりてやれやれセ・リーグの弱さに辟易す もやる空わづかに一つ星が見えたえだえにして浮かぶ憂国
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
プロ野球の交流戦が始まりてやれやれセ・リーグの弱さに辟易す もやる空わづかに一つ星が見えたえだえにして浮かぶ憂国
蒼穹の割れて方形の氷塊があまた落ち来んほどの眩暈 政府・国家戦略室の迷妄: これほどにひどい大事故起こしても原発推進を言うのか政府よ (新仮名)
湿潤の梅雨の晴れ間の青空を覆ひて百花百色の光(かげ) 生きるとは<時>を刻んで味わうこと さりさりパリパリつるつるドロドロ (新仮名)
不規則な音は雨だれ或いは何 夜の屋上を物の怪あるく
一様に自分の影を従へて老若男女が歩道をうろつく 肩ゆすり歩める誰(たれ)も時たてば自(し)が影はなれて逝くを知らぬげ
天災は分け隔てなしことごとく破壊し尽くせり校舎も墓も 天災は分け隔てなしことごとく殺(あや)め尽くせり子供も母も
梅雨入りが駆け足で来ると報らされて雨のありがたさをあへて思へる 夜の雨に鈍く光れる鬼瓦 無住の寺の闇の上なる
宇宙より還る絶叫の谺あり被災の修羅場を映像に見るに —————————————— 助動詞の<き、けり、たり、り、つ、ぬ>のすべてを「た」一つが引き受くるとは 生き様が単純化せしと思はねど<時>の感じ方は「た」にお任せにて
砂煙あぐる奔馬の勢ひに宇宙の闇を駆けぬけし夢 氷より熱く火より冷たかる熱情いづこ人は老いゆく それぞれの立場で釈明相継ぎて原発事故の迷走続く ここに来て原発推進を諦めぬ企業の論理は迷妄そのもの
チュンチュンチュンいじらしき音に子雀は命果つるまで鳴き続けんとや ひねもすを鳴ける雀の声変はる吾が戯(ざ)れの音(ね)に口笛吹けば とめどなく鳴きつづけゐる子雀にふと気付きけり母を恋ふかと —————————————– アメリカは疑 […]