2005年1月1日
- 2005.01.01
年明けに思ふことども余りにも多くてうろたへ言葉失ふ 初雪の翌朝元旦快晴にて瓦を伝ひ雪落つる音
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
年明けに思ふことども余りにも多くてうろたへ言葉失ふ 初雪の翌朝元旦快晴にて瓦を伝ひ雪落つる音
忙中は時間の感覚うせるゆゑ因果律さへ危ふくなりぬ 忙中は人事のことも忘れはて能面よりもおだやかな貌(かほ)
「携帯電話(けいたい)にデジカメ付いてデジカメに電話付かないアンフェアじゃないか」 「皮肉なり情報機器の発達が戦争さへもゲームと化すは」 「イラクのこと北朝鮮のことこき混ぜて世界政治のパレット模様」
「PCの小箱につまる多機能のほんの一部でわが用は足る」 「PCは操作ミスには無力でも人生にないリセットボタン持つ」
「帰らむとするに俄かにボタン雪落ちきて路灯に砕け散るなり」 「空間にひしめき躍る雪の粉は幸せさうにみな喜々とせり」 「前照灯上げて走るに正面の闇から無数の雪片襲ふ」
日々(にちにち)の楽しみにして妻の愛つまりし弁当は心身の糧
組織即会議といへど緩慢に進みをり戸外で冬日浴びたし OBが組織をゆっくり侵しゆき気が付けば四囲はみごと墨色
時差ボケで真昼に睡魔おそふたび渾沌としてアルーバ島見ゆ (帰国後もう9日になろうというのに、恥ずかしながら、未だに時差ボケからくる昼間の眠気が完全にはなくなりません。年を取ったせいでしょうが、また14時間という昼夜が完全にひっくり返る時差が効いているようです。いや、まだあの美しい島、海岸、海を楽しみたいのかもしれません。)
「早朝を自動車スイスイ飛ばせれば淀みに魚寝る木曽川はや過ぐ」(梧桐)
「隣り合ふ組ごと目には見えぬ壁立ててレストランに幾多の世界」(梧桐) 隣り合うテーブル同士、お互いに声は筒抜けなのに、相手グループのことには無頓着。このことにふと気づいて、ちょっと妙な気分になった。