二羽の雀
- 2010.03.24
軒先に身をふくらませ雀二羽寄り添ひてをり冷雨の昼に
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
軒先に身をふくらませ雀二羽寄り添ひてをり冷雨の昼に
ブラインドの隙(ひま)より覗けば雀らは飛び去る、視線の合ひたるらしも
「やつす」とは「艶(つや)」が語源の洒落言葉か、「やつる」と同じ漢字を使ふが 雀さへ数が減りしと聞きてより餌(ゑ)を置けばたちまち十羽ほど来
クロマグロの乱獲は悪と思へども禁輸は食文化の差違の無視では? ぴらぴらと多(さは)なる白のさやぎをり辛夷並木の中の一樹に 廃絶を言ひつつ「この世に在る限り<核>は捨てぬ」とは欺瞞の極み
四十年ここに住みきて今朝初めて鴬が鳴くを聞きたりうれし
人間は生まるるも死ぬもひとりと言ふされどひとりで生くるにあらず 自己知るはもつとも困難と説く君よ自死する人の心は解かるのか 温暖化のあかしは多しと思へるになほ寒冷化を唱ふる人絶えず
真善美愛夢などの語を好む日本人なり異色だらうか 鬱病に悩むは国内に七十万人(ななじふまん)いづれも自殺願望者とぞ 生命(いのち)とは儚きゆゑに切なかり吾が身辺よりつぎつぎと消え 花びらは木々より消えて脳内の宇宙にきらめき思考を刺激す ————– ◎未来への悲しき予感・・・: 兵器とは持てば使ふもの持たざれば平和を求む 自明の理なり 核アレ […]
面白しテレビで日本の天気図に北方四島が常に入れらる 上空を風すさぶらし長大なる白雲飛散す一画(いっくわく)歩く間に ありしはずの地球儀捜せど見付からず脳裏でむなしくくるくる回す 大学への拳銃携帯は普通というアメリカという国を君どう思う? (口語新仮名)
異常気象異常地震の続くのはなべて温暖化に主因のありや またしても巨大地震が地を襲ふ人らの放恣に天が怒るとも 二万キロ弱離るるチリより粛粛と津波の寄せ来 地は繋がれば 日本より真東に行けばチリに着くと思へば何やら親しさも湧く 五輪の喧噪、津波騒動去りしあとに残るは政情不安と不況
生きてゐてこその人間、死にすれば肉も心も消えておしまひ 輝かん希望に膨らむその胸を凶刃が深く貫きしとぞ 胸深く抉られし女性(によしやう)の絶叫は果なき夜空のいづくさまよふ 殺すとは人を物体に変ふること。いかなる人にもその権利なし 人命を奪ひし人は一命にて償ふほかに道なしと思ふに バンクーバーをハンバーガーと茶化す人テレビにをりて口ゆがむ見ゆ バンクーバー冬季五輪に渦巻くは世界の活力の熱気なるべし […]