過去
- 2022.10.13
過去録の並べる書棚をながめつつこれでよしとす まだ先がある
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
過去録の並べる書棚をながめつつこれでよしとす まだ先がある
夢幻: 行き行きて地の涯(はて)の奥かすみつつ着きたるは今わが在るところ 散りかかる花びらの中にわが魂(たま)のどんでん返るをいかにとかせむ
悩みなき日々にも電柱のてつぺんにてカラスが鳴けばなにがなし不穏
脳髄の襞に溢るる感興ありヒヨドリ・カラス叫び合へれば
無際限宇宙に心を遊ばせてふと還るなり箱庭の現世に
ささやかで些末な事にて満たさるる人の心のあはれこれの世
ある時は故なく心の衝迫感わききてうろたへ叱咤す自分を
可能性が1パーセントならひたすらに信じることだ99パーセントは
幻覚と現(うつつ)のはざまに揺曳し今在る位置をはかりかねつも
ゆゑ知らにわが裡に棲む理非の靄ときにあやぶむは切なからずや