雲の残欠
- 2020.10.30
朝空をばらばらに占め浮かべるは消えゆく雲の数多(あまた)の残欠
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
朝空をばらばらに占め浮かべるは消えゆく雲の数多(あまた)の残欠
こたびこそ十三夜の月を撮らむとして薄雲流るる隙(ひま)を狙ひぬ
空に浮く池とも見えて楕円の穴乱れ流るる白雲に空(あ)く
あらき風上空を吹き鰯雲鯖雲なべて流れ消えゆく
ビル壁がしらじらと照るそがひには濃紺深き秋の朝の空
このところ大気の状態が不安定で雲らの多才がいかんなく発揮さる
粛然と台風のあとの青空に雲はかがやきなほ駆けやまず
常ならば西より東に流るる雲けふは逆なり 台風近づく
いくつもの積乱雲が立ち上がり家越えビル越え成長してゆく
八月末にやたらと団子状の雲が浮くまだ真夏だと言はむばかりに