さわさわと美音の流れ止まざれば脳髄の皺がほどけゆくなり
いかさまに地表の乱るるは常なるを‘時’の勤勉は止(とど)まることなし
ウクライナやガザの惨禍も茫茫たり日はさんさんと地表に遍満す
何をやつても稚戯に過ぎずとふ声のして心よろめく時期のありたり
おびただしき数の鴉らが夕空におらび合ひつつ乱舞しやまず
ユーカリの木が八百屋さんの軒先にあるは不思議なれど寄りて癒やさる
円弧状の糸のやうなる朝の月を撮らむアングルに苦労してをり
古来ある「琴」の語源は「木の音」と知りて親しさいや増しにけり
“仏説摩訶般若波羅心経”をあますなく‘みそひともじ’にて刻みつけむか
そもそもはどうして宇宙が在るのかが根本にして最大の謎