今朝の空は薄雲張りてのつぺらぼういづくにカメラを向けむか悩む
まだ若き国会議員が‘コロナ’により急死して楽天家らに衝撃走る
朝焼けにビルの白壁赤く輝りて濃紺の空に火柱(ほばしら)の立つ
かつて気付くことなかりけりビル上方消ぬがに浮かぶ朝の三日月
称へたる“アラブの春”の現実は混乱か独裁回帰 あはれと言はむ
「死にき」とは言はず「後(おく)れき」と言ひしこと古人(いにしへびと)の奥ゆかしさよ
黒さすら混じりて濃(こゆ)き紺碧の空の深処(ふかど)を凝視(みつ)めゐて疲る
「生前」は「死後」に対する語と知ればあへて「死前」と言はぬわけあり
ゆゑ知らず朦朧とせる時の間を振り払はむとして空しさ波なす
なぜだらう: 晴天は一様な青と思ふなかれ真上から地平へとその青薄まる