西方(さいはう)の極楽浄土を求めてや‘西行法師’と名乗られにけむ
<かまいたち> とか <いちもくれん(一見連)> とか禍禍(まがまが)し正体不明は畏怖を伴ふ
胸は少女、腰は母とも人は言ふ <ミロのヴィーナス> の完璧なる美
仏法に「十戒」のあり聖書にもありて中味の酷似に驚く
外(と)に出でてただ一滴の雨を受くそのあと降らず寂しかりけり
道沿ひに白バラ赤バラ群れ咲きて絶えず通過する車に悶ゆ
ひと日での気温の最高・最低の差が二十度余の所日本にもある
投げられて頭から落ちし力士あはれ後(のち)に死亡す 頭部は急所
冷えしるき五月朔日(ごがつついたち)紅バラの開かむとして逡巡しをり
昭和生まれが昭和が何年までありしかを忘るることあり 昭和は遠し