北陸能登路ドライブ小旅行-2

春まつり・お寺の行事に堰き止められ狭き路上でしばし休息

名のみ知る和倉温泉未練なく気ははやるなり穴水・珠州(すず)へと

霧雨をワイパー掃けど直ぐにまた霧雨視界を妨げ止まず

岬越えまた岬越え現るる岬また越えとめどもあらず

中能登の看板あればああ我らやうやく能登に入りにたるらし

能登の路行けば霧雨もやもやと春の花花お隠れなるや

幾曲がり曲がる山道曲がるたび新しき森視界を塞ぐ

曲がりまた起伏激しき山道も舗道にして今ドライブコース

盛上がる森の樹塊が前後にも左右にも立つ 穴水近し

藤棚を這ふは偽にて森の藤松這ひあがり房花咲かす

濃緑の常緑樹這ふ藤の花たくましきゆゑの澄みし紫

能登半島、海岸線より中ほどは北欧に似て山と森林

春雨は能登の森林潤せり一部開いて人ら住みつつ

農村と漁村かたみにせめぎ合ひ人々能登にたくましく生く

山麓の家押し包む小糠雨、ゆらめくごとき夢はここから

殺伐の今の世にして能登の村ただ粛々と自然のいとなみ

穴水の夜明けに聞きしひぐらしの声二十年耳底に残る

森林にはぐくまれたる原人の末裔なれば樹木を恋ふのか