追補:
高山の狭き路地ごとおほぜいの観光客でびっしりつまる
白壁の倉の連なり沿うてゆく小流れ清し古川の町
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伏木市の丘アンティーク茶店より見れば対岸けむる立山
氷見市には山の寺院に友が住む-言ひつつ妻は会ひたげな所作
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以下つづき:
海岸道狭くなりまた広くなる右に雨吸ふ海が茫茫
わが妻は運転が好き難しき曲折の道・山道任す
珠州(すず)市とふ標識あれば直進を諦め逸れて山路へ左折
奥能登の先端占むる珠州(すず)市なれ東西海岸市中に収む
やうやくに能登半島を下り初む人生峠を越えしはいつぞ
晴れたらばいかに輝く海ならむ能登半島はさ霧に咽ぶ
浅緑と濃緑まだらに山を染め花を添へれば十二単か
下り来て輪島市に入るもなほ旅程先あれば一つ店を観しのみ
海岸線あきらめ山手の道を採り穴水あたりで高速道路(かうそく)に乗る
宵闇の高速道路をすっ飛ばし金沢に着く、はて宿はどこ?
金沢は金箔の街かって観し工芸館での金箔茶を恋ふ
金沢駅西口に来て迷へれば東に回りまた西に出る
金沢城、兼六園また香林坊、ただ懐かしくぐるぐる回る