しあはせ

亡き人らを偲ぶ自分は亡き人らに案じられゐるとせめて思はむ

あかあかと灯す駅前に立つ欅をねぐらの小鳥らしあはせだらうか

駅前の呑み屋の賑はひ過(よ)ぎりつつこの平和しばらく続くと思へり

公園の樹木は高きほどその梢くらぐらと遠し梅雨空の夜に

闇空に木々はおそろしきまで黒く立つ昼間は緑の哀しきまでに

二、三日前歩みし天橋立のすでに遙かなりむなしき影にて

つい先日眺めし天橋立は雪舟の絵の中にて茫たり

旅行(ドライブ)詠

前の記事

天橋立
生活詠

次の記事