2006年3月4日

冬の日が新築ビルにやすやすと隠されてゆく 靡けこのビル

(ご参考:『・・・妹(いも)が門(かど)見む靡けこの山』(柿本人麻呂;万葉集巻2・131))

数知れぬ鋭き刃(やいば)に鎧ひたる邸宅ありて闇に鎮座す

生享けしものの悲哀を纏ふがにするどき鉄柵巡らす邸宅

裏町のスナック街へと迷ひ入り優しき声の客引きに会ふ

つくづくとこの歳にして思へるは天下無双の妻を得し幸

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