鵯(ひよどり)や鶫(つぐみ)がまれに庭木に来るスズメやハトまたカラスはしばしば
飛びはせで道路を歩くカラスとハト。その後ろ姿が似てゐてをかし
ざざざざざ思考の河原がゆれうごく底なる石群(いしむら)紫に輝(て)る
観梅に妻と来たれど梅の並木みな蕾状態、例外をさがす
広島の被爆樹木の中にして梧桐(あをぎり)もありと知りて悼めり
ある記憶を辿りゐたるに深々と眠りたらしも 煉獄の夢
風強く窓の隙間が唸るなり去りゆく冬の断末魔と聞く
雛段を幾種も飾る神社ありて妻の少女心に従ひ訪ぬ
あるときは空に浮かべる雲塊(うんかい)が重量感もちて頭上に迫りき
思ひ高め挑まんとする難問に五色の虹のかかりて解けず