手に触れてえのころ草を踊らしめ雑草とふ草はなしと呟く 階段の各段ごとの影の濃く踏み外したらば地獄へ墜ちん

一合に満たぬ晩酌にほろ酔ひて醒めゆくきはの虚無感にあり

太き雨急に落ちきて軒下に雀ら並び雨宿りせる

児性肥満にありし女（め）の孫が一年の後（のち）に締まりて少女に

眼で見えず写真にも写らぬ遠富士が画像操作でなんと現る

写っていない富士山（ふじ）が画像調整でうっすらと現れ不思議な気持ち （新仮名）

宇宙には中心はない君も僕も宇宙の中心　換言すれば

新しきパソコン入手しはしゃぎゐる妻なりまさにコンピューターおばあちゃん 驚きぬ孔子は２メートル２０センチの巨躯にて頑丈な身体（からだ）なりしと

朝まだき餌奪ひ合ふ雀たち騒音迷惑なれど許さん 七十年不戦に過ぎし国なればそろそろ銃を持たんとするのか 七十年の不戦を尊び九条を押し立て平和国家宣言を！

ガザの死者千四百超え負傷者は一万といふ　報道は細れど 夏の太陽まさに火の玉、灼かれつつ皮膚癌多きアメリカを想ふ