降る雨に慣れゐるごとく雀らは雨うつ葉むらにたむろしてをり
摂氏に慣るる寒暖計にとまどひしはアメリカでのこと華氏が普通で
とうとうと木曽川ながれそに逆らひ幾百万の魚らさかのぼる
天変地異は神の御心(みこころ)と祈る知恵が人間にはありて天下太平
四十年余も前の写真に末の娘(こ)が木登りする兄のお尻を押しゐる
弥勒菩薩のたなごころに乗る夢を見て安眠の証とひと日明るし
灯火にてコップの水が影つくる。透明といへど存在するあかしに
現代は車社会と言ふなれど小用(せうよう)に自転車はなほ必須なり
「異常気象が常態化してそのうちに四季が夏・冬の二季になるとも」(あおぎり)
地震のない日々かさねきて震度3にあわてる我に妻は「何?」だって