つくづくと‘電気’の不思議を思ふなり電子とふ極微の粒子が走ると言ふが
死して間なき歌手が唱へる映像はなつかしといふよりある意味残酷
白梅や紅梅咲き競ふ園にきて妻ともどもに春を満喫
橋桁に水陽炎(みづかげろう)ゆらめく春の川、世は事もなしと言へるがごとし
冷えてきてストーブに思はず掌(て)をかざし温(ぬく)さを感ず 電源オフだが
ある家の庭木に交じり紅梅がやや控へめながら今年も目を惹く
大地震(おほなゐ)の一時間前予測に知力をば尽くす人たちが日本に居るも
鵯(ひよどり)や鶫(つぐみ)がまれに庭木に来るスズメやハトまたカラスはしばしば
飛びはせで道路を歩くカラスとハト。その後ろ姿が似てゐてをかし
ざざざざざ思考の河原がゆれうごく底なる石群(いしむら)紫に輝(て)る