自転車で白いヘルメットの列が行くキラキラキラと日を反射して
夢おぼろ 命の力なほまさり脳の芯部に芍薬ひらく
いつになく早く五感の感じゐる春の気配を味はひてをり
あるかなき雪まひきたりて干し物に掛からんとせるたまゆらなれど
皮までも食べらるるといふ国産のバナナの普及を我も待つなり
(口語新仮名): 吐く息がほんのり白い、この程度で「寒い」と言うのは情けないよな
極点をぐるぐる回らば短時間に何日も過ぎん 面白からずや (極点:南極点、北極点)
衝迫の思ひは青年期までのもの 年末年始もたんたんと過ぐ
絶ゆるなく水は波立つ世を統ぶるダイナミズムの象徴として
衰ふるは哀しからずや八重桜も老いれば花は一重になるとふ