朝の陽に輝(て)る隣家(となりや)の吊し柿このひと冬を羨(とも)しみて見む
三冠馬三頭出走のジャパンカップその三頭がトップスリー占む
蒼穹に音のみ立てて航(ゆ)く一機 一万メートルを超ゆる上空か
(新仮名): 花水木の実のみ残った細枝にサーカスをしてカラスら数羽
般若心経を文字なさぬ文字にて走り書きし目に見えぬものに叱られてをり
いづくより連続高音聞こゆるや そは耳鳴りとながく気付か
剪定を今日こそせねばと思ひつつ天候悪化が怠惰を許す
人生の“起承転結”ついに“結”、「有終の美を」などと人は言うけど
歩みきて虹立つを見るその脚はビル幾棟を彩りてあり
花の露見てさへ紅涙に袖濡らしし古人(いにしへびと)の感性羨(とも)し