虫たちはそれぞれ鳴く場所を決めてゐて毎朝の歩を愉しませ呉る
尼寺の庭の隅にて夜→朝を元気に鳴く虫の居て半月余
とどろきて宇宙が二つに割るる夢 醒めて聞き入る秋の虫の音
十月の初旬に暑き日つづきゐて夏雲うかび積乱雲さへ
さざなみの志賀はともかくわが裡のなほ騒立ちてあるを寂しむ
ながらへて二十二世紀の世界見ばAI浸透し温暖化制御も?
早朝から雀ら集まり騒ぎ立ついかなる事を語らひをるや
深夜に鳴く虫の音録(と)らむと構ふるに意外に多し様々な音
暑からず寒からずの天候はまれにして台風一過の秋の気を吸ふ
過ぎ去りし台風ありてさまざまなる雲が現はれ日と戯るる