いづくより連続高音聞こゆるや そは耳鳴りとながく気付か
剪定を今日こそせねばと思ひつつ天候悪化が怠惰を許す
人生の“起承転結”ついに“結”、「有終の美を」などと人は言うけど
歩みきて虹立つを見るその脚はビル幾棟を彩りてあり
花の露見てさへ紅涙に袖濡らしし古人(いにしへびと)の感性羨(とも)し
人々の名を見るたびにご両親の心と期待の篤さを思ふ
サイレンに続きマイクで叫ぶ声 晩秋の朝ひどくものものし
意外にも水道水を手に温くく感じて秋の深きを知りぬ
いにしへは風の音にて秋知りぬ けふは風鈴の音(ね)を散らしをり
喜ぶは鳥たちも同じ早朝よりはげしく騒ぐ台風去りて